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《断水で歯が磨けない!そんな時に役立つおすすめ口腔ケア方法》
歯科治療について
2026/10/19
地震や台風などの自然災害が起こると、停電や断水によって、いつも通りの生活ができなくなることがあります。
そのような時、意外と困るのが「歯磨き」です。
水が使えないと、歯ブラシを濡らしたり、口をゆすいだりすることが難しくなります。
「歯を磨けないけれど、虫歯や歯周病は大丈夫?」
「口の中を清潔に保つにはどうしたらいいの?」
と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、断水していても、工夫次第でお口の中を清潔に保つことができます。
今回は、災害時に役立つ口腔ケアの方法や、備えておきたいアイテム、子どもから高齢者まで気をつけたいポイントについて、歯科衛生士の視点からご紹介します。
1.断水しても口腔ケアが大切な理由
歯磨きができない状態が続くと、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に歯垢(プラーク)がたまりやすくなります。
歯垢には多くの細菌が含まれており、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
また、災害時は避難生活によるストレスや睡眠不足、食生活の変化などから、お口の環境も悪化しやすくなります。水分を十分に取れなかったり、食事の回数や内容が変わったりすることで、お口の中が乾燥しやすくなることもあります。
特に注意したいのが、唾液の減少です。
唾液には、お口の中の汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたり、歯を守ったりする働きがあります。
唾液が少なくなると、汚れが残りやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。
さらに、高齢の方や飲み込む力が低下している方では、お口の中の細菌が唾液などと一緒に気道へ入り、誤嚥性肺炎につながることもあります。
だからこそ、断水時でもできる範囲で口腔ケアを続けることが大切なのです。
2.水がなくてもできる!おすすめの口腔ケア方法5選
① 歯ブラシを使って汚れを落とす
断水していても、歯ブラシが使えるなら、まずは歯の汚れを落としましょう。
歯磨きに必要なのは、必ずしも大量の水ではありません。
⭐️おすすめの方法
歯磨き粉は必須ではありません。水が使えない時は、歯ブラシだけでも歯垢を落とすことができます。
歯磨き粉を使う場合は、少量にすると泡立ちが抑えられ、すすぎに使う水も少なくて済みます。
また、歯磨きジェルを使うと水が不必要です。
② 少量の水で口をすすぐ
飲料水が確保できている場合は、少量の水で口をすすぐ方法もあります。
コップに少量の水を入れ、口全体に行き渡らせるようにしてから吐き出します。一度にたくさんの水を使わず、必要に応じて少しずつ使うことで、水を節約できます。
歯磨きの後に使う水だけでなく、食後に口の中をすすぐことも、食べかすを減らすために役立ちます。
ただし、飲料水が不足している時は、無理にすすぐ必要はありません。
歯ブラシや口腔ケア用のシートなど、ほかの方法を活用しましょう。
③ 水がいらない口腔ケア用ウェットシートを使う
歯ブラシが使いにくい場合や、体調が悪くて十分に歯磨きができない場合には、口腔ケア用のウェットシートが便利です。
指にシートを巻き、歯の表面や歯ぐき、頬の内側、舌などをやさしく拭き取ります。
ただし、普通のウェットティッシュではなく、口の中に使用できる専用の製品を選びましょう。
口腔ケア用シートは、歯ブラシで磨くことが難しい時の補助として役立ちますが、歯と歯の間や歯ぐきの境目の汚れを十分に取り除けるわけではありません。
使用できる状況であれば、歯ブラシによるケアを優先しましょう。
④ 洗口液を活用する
断水時には、液体タイプのオーラルケア用品も役立ちます。
ただし洗口液は、口臭予防やお口の中を清潔に保つことなどを目的に使用するものです。製品によっては、歯磨きの代わりにはなりません。
製品の表示に従って使用しましょう。
また、アルコールを含む洗口液は、お口の乾燥や刺激が気になる方には不向きな場合があります。刺激の少ないタイプを選ぶとよいでしょう。
⑤ 唾液を増やしてお口の乾燥を防ぐ
災害時には、緊張やストレス、水分不足などによって、お口が乾燥しやすくなります。
お口の乾燥を防ぐためには、次のような工夫がおすすめです。
・飲料水が確保できている場合は、こまめに水分を取る
・口を閉じ、鼻で呼吸することを意識する
・無理のない範囲で、舌を動かしたり、頬を膨らませたりする
・耳の前や顎の下を優しくマッサージして、唾液腺を刺激する
唾液腺マッサージは、お口の乾燥が気になる時に試せる方法です。ただし、痛みがある場合や腫れがある場合は無理に行わないでください。
なお、ガムを噛む方法も唾液を増やすのに役立ちますが、誤嚥の危険がある小さな子どもや、噛む・飲み込む機能が低下している方には適しません。
3.子どもや高齢者の口腔ケアで気をつけたいこと
災害時は、子どもや高齢者など、口腔ケアを自分だけで行うことが難しい方への配慮も必要です。
<子どもの場合>
避難生活では、お菓子や菓子パンなど、手軽に食べられる食品を口にする機会が増えることがあります。
食事の内容や時間が不規則になると、虫歯のリスクが高まることもあります。
水が使えなくても、できる範囲で歯磨きを続けましょう。仕上げ磨きが必要な年齢の子どもには、大人が歯の汚れを確認してあげることが大切です。
口腔ケア用品は、子どもが使いやすい歯ブラシや、年齢に合った歯磨き粉などを用意しておくと安心です。
<高齢者の場合>
高齢の方は、お口の乾燥や飲み込む力の低下によって、口腔内の細菌が原因となる誤嚥性肺炎のリスクが高まることがあります。
歯だけでなく、入れ歯や舌、頬の内側なども清潔に保つことが大切です。
入れ歯は外して汚れを落とし、入れ歯用のブラシなどで清掃しましょう。水が十分に使えない場合は、入れ歯に使用できる清掃用品を活用してください。
また、口の中を拭く時は、シートやガーゼを奥まで入れすぎないように注意します。飲み込む力が弱い方には、無理に水でうがいをさせず、誤嚥に十分注意しながらケアを行いましょう。
4.災害に備えて準備しておきたい口腔ケア用品
断水は、いつ起こるかわかりません。日頃から防災用品の中に口腔ケア用品を入れておくと、いざという時に役立ちます。
おすすめの備蓄品はこちらです。
・歯ブラシ
・フッ素入り歯磨きジェル
・口腔ケア用ウェットシート
・洗口液
・デンタルフロスや歯間ブラシ
・入れ歯用ブラシや洗浄用品
・個包装のティッシュや清潔なガーゼ
・飲料水
家族の人数や避難生活を想定して、数日分だけでなく、可能であれば1週間程度を目安に備えておくと安心です。
口腔ケア用品は、非常用持ち出し袋に入れるだけでなく、自宅の防災備蓄にも用意しておきましょう。
また、普段から使い慣れた製品を備蓄し、使用期限や保管状態を定期的に確認しておくことも大切です。
5.まとめ|水が使えなくても、お口の健康を守ろう
災害時に断水すると、普段当たり前に行っている歯磨きが難しくなります。
しかし、水が使えないからといって、口腔ケアをあきらめる必要はありません。歯ブラシで汚れを落とす、少量の水で口をすすぐ、口腔ケア用シートを使うなど、その時の状況に合わせてできることを続けることが大切です。
特に、子どもや高齢者は、お口の状態が全身の健康にも関わるため、日頃からの備えが重要になります。
災害への備えというと、食料や水、懐中電灯などを思い浮かべる方が多いかもしれません。そこにぜひ、歯ブラシや口腔ケア用品も加えてみてください。
お口の健康を守ることは、災害時の健康を守ることにもつながります。
いざという時に慌てないためにも、普段から家族みんなで口腔ケアと防災について考えてみませんか?
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